岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾 経済情報学部⑱ 寶壺貴之 

映画から楽しく英語表現を学ぶ

岐阜聖徳学園大学経済情報学部教授 寶壺貴之

 皆様、こんにちは。学校の英語学習は楽しくされていますでしょうか。最近では小学校から英語教育が始まっていますが、日本人の多くの方は、中学から数えても最低3年間以上は英語を勉強したにも関わらず苦手意識を持っています。その理由は、授業や日常生活の中で英語を使用してコミュニケーションを行う機会が諸外国に比べて圧倒的に少ないからです。

 私が研究しているのは「楽しい」から始まる英語学習です。具体的には、英語教育に映画の活用を目指す学会で、先生方と映画英語学習の可能性と楽しさを追及しています。学習意欲こそが英語力向上の原動力となり、その動機付けのために映画を教材に取り入れた英語教育を提唱しています。

 映画で英語を学習する利点は、リアリティのある具体的な場面と共に、英語表現が学べるので、状況に応じたフレーズをどのような雰囲気で言えば良いかがスムーズに理解できることです。さらに、学習者の皆様が何度見ても、楽しいと思われる映画を選定することも重要になります。

 例えば、皆様の中で知っていらっしゃる方も多いと思いますが、高校生のマーティが、親友の科学者ドクが発明したタイムマシンで1985年から1955年にタイムスリップしてしまうマイケル・J・フォックス主演のBack to the Future (1985)という作品があります。この映画の中で、"If you put your mind to it, you can accomplish anything."という台詞があります。これは、「為せば成る何事も」という意味ですが、ドク博士が高校生のマーティに伝える人生にとって意味のある教訓的な表現です。この映画の重要なフレーズで場面と共に学習することができます。このように、学習者の皆様にとって好きな映画を選んでいただき、興味を持った場面と共に心に残った英語表現を楽しく学習していただければ幸いです。(2021.7.18岐阜新聞掲載)