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岐阜新聞 真学塾③ 教育学部 国語専修長 中村 哲也

岐阜新聞 真学塾③

意外にむずかしい

「ひらがな」の使い方

コラム  岐阜聖徳学園大学教育学部教授 国語専修長 中村 哲也

 漢字をどう読むかわからなくなったとき、とりあえず「ひらがな」で書くことがありますが、では、「氷」という漢字は、ひらがなでどう書くでしょうか。「こおり」それとも、「こうり」?また、「十日」は「とうか」「とおか」?

 どちらでしょうか。昔、ワープロの出始めのころ、「通り」がひらがな打ちで漢字変換できないと言っていた人がいました。しかし、「とおり」と打つと「通り」に変換されました。その人は「とうり」と打っていたのです。

 これらは、日本語の母音「あ、い、う、え、お」を一拍伸ばした音で、「長音」(ちょうおん)といいます。「王様」は「おうさま」なのに、「大空」は「おおぞら」と書き、「氷」は「こおり」で、「高速」は「こうそく」と書きます。とくに、ひらがな中心に国語の勉強を始めていく小学校の低学年では、間違え書く子どもがいます。学校教育が採用する「現代仮名遣い」は、私たちが話すときに使っている表音に対応していないものがあります。たとえば、すぐに気づくのは、小一でよく混乱する、「わ」「え」「お」と読むけれど、助詞「は」「へ」「を」と書くところなどです。


 しかし、実は、「あいうえお」の「お」の列の長音を「お」と書く語句は、余りたくさんありません。挙げてみましょう。遠く(とおく)、大きい(おおきい)、氷(こおり)、多い(おおい)、狼(おおかみ)、十(とお)、通る(とおる)。おおよそこの程度を覚えれば大丈夫です。これを「とおくの、おおきな、こおりの上を、おおくの、おおかみ、とおずつ、とおった」などと覚えさせる先生もいます。とにかく、覚えてしまえということです。さらには、「蟋蟀=こおろぎ」「頬=ほお」「炎=ほのお」「覆う=おおう」「公=おおやけ」などがよく使われるものです。(「こおろぎの、ほおは、ほのおで、おおわれた!」妙な光景です)。

 さて、ここにあげた一連の「お」のつく語句をよく見てみると、上の長音「お」は、歴史的仮名遣いに直せば、「ほ」になるということがわかります。「とほく」「おほきな」「こほり」「おほく」「おほかみ」「とほ」「とほる」「こほろぎ」「ほほ」「ほのほ」「おほう」となります。


 漢字テストや古典の勉強を除けば、漢字をひらがなでどう表記するかということはほとんど意識することはないと思います。しかし、「四つ仮名」(「じ、ぢ」「ず、づ」)などで、思わず戸惑うことがあるので、しっかり確認してみることが大切です。詳しく知りたい場合は、「文部科学省現代仮名遣い」で検索してみてください。

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