岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾㉕ 教育学部 教職担当 小林直樹

 世界標準の学力


岐阜聖徳学園大学 教育学部 教職担当 小林 直樹



 平成19年から実施されている全国学テでわかってきたことは、一言で言えば「子どもたちは知識はあるのに活用することが苦手」ということです。例えば、全国学テが始まった年の小学校算数の平行四辺形の面積を求める問題では、何と96%が正しく解答できたのに、地図中の平行四辺形の形をした公園と長方形の形をした公園のどちらが広いかを求める問題では18%の正答率にとどまりました。この頃、国際学力テストであるPISA調査においても日本の子どもたちは「学校で習ったことを生活の中で直面する様々な課題の解決に活用できていない」ことがわかってきました。全国学テを始めた時期は、いわゆる「ゆとり教育」を心配する声が大きくなっていた時期でもあり、こうした調査の結果は「脱ゆとり教育」に舵を切る根拠にもなりましたが、そもそも我が国はこれからどんな教育を目指すべきかがはっきりしたとも言えます。

 江戸の昔から我が国には「読み書きそろばん」という言葉がありました。これは単純に、文字を読んだり文章を書いたりする力や、そろばんを使って計算する力と解することもできますが、広く読解力、表現力、計算力を指した初等教育で獲得すべき基礎的な学力のことを指しています。同時に、実生活の中でこれらの習得した力を活用することを願った言葉でもあります。

 これからの日本の教育は「世界標準の学力」を求めていこうとしています。と言ってもわかりにくいので、これを「生きる力」と呼び、「アクティブ・ラーニング」とか「主体的・対話的で深い学び」といった言葉でアプローチの仕方を示しています。そして、「世界標準の学力」を身に付けられるよう学習指導要領を改訂し、まずは大学入試の大幅な改革を進めています。


 「世界標準の学力」とは、得た知識や技能を活用し、「何ができるようになったか」という学力です。「読み書きそろばん」ではありませんが、学んだことを生活の中で活用することが求められています。

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