岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾㉟ 教育学部 教職専修 成田幸夫 

自分の意見を持つということ

岐阜聖徳学園大学教育学部教授 教職担当 成田幸夫

 受験を目前に控えた中・高校生の皆さんは、目下、大変な努力をされていることでしょう。

 ところで、高校や大学に入学した後、あなたに求められるのはどんな「学力」だと思いますか。

 記憶の量や記憶再生のスピード競争だけでは、もちろんありませんね。2022年から実施される高校の新しい指導要領では、学習の基盤となる資質・能力(言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力)育成のため、教科等の「横断的な学習」の充実が強調されています。皆さんが生きていく社会は、多分、正解が1つだけではない時代になります。

 複数の解から最善解や最適解を見つけていく力が求められるわけです。グローバル化し 情報化する知識基盤社会では、従来の知識・技能を習得するだけでは不十分で、答えのない問題に最善解を導ける能力、分野横断的な幅広い知識と俯瞰力、別の問題場面にも適用できる汎用力、などが期待されます。

 ここで大切なのは、重要な価値判断には選択肢があることで、自分は何を根拠にして判断するかが常に迫られるということです。そういう自由と選択の機会を自らの学びの中に創り出すことが必要になります。

 しかも、「AもBもCも考え方は理解できる」というようなレベルではなく、葛藤を経て選択する力を目指す必要があります。「どちらの解も正しい」というような相対主義的な価値の並立は、自己の行動の選択においてはあり得ません。複数の解からどれを選択するかは、価値の序列の原理に基づき、あなた自身が選択・決断しなければならないのです。

 受験に必要な知識を蓄積することも大切です。でも、毎日の授業やニュースを見聞きする中で、「自分の意見」を意識的にはっきりさせてみることはもっと大切です。そうした柔軟かつ厳しい考え方を、年末年始に少しばかり心がけてみてはいかがでしょうか。