成道会がありました
本日は、本校の三大宗教行事のひとつである「成道会」が行われました。
今年度は、祐國寺のご住職でいらっしゃる曽我宗慶先生をお招きして、「本物(ほんまもん)って何だろう?」という題のご法話をいただきました。
はじめに、現在のインドに由来する仏教の歴史について触れられ、本日の成道会とはどういう日なのか、お話いただきました。お釈迦さまがお悟りを開かれたエピソードの中でお気づきになられた「緊張と緩和」、そして、お釈迦さまのおっしゃる「真理」についてお話されました。
たとえば、数学の方程式は「小さな真理」、お釈迦さまのおっしゃる真理は「大きな真理」です。両者の間には大きな隔たりがありますが、「本物(ほんまもん)」の小さな心理をいくつもいくつも積み重ねることで、大きな心理に近づくことができるのです。
「本物」とは、「歴史があるもの」そして「名前があるもの」だと曽我先生はおっしゃいます。その本物を見分ける判断力を養うことがいかに大切かを、中学生である私たちにも身近に感じられる例を挙げてご説明されました。その判断力が、自分の人生に大きな影響を与えてしまうのですから、勉強をはじめとする日々のさまざまな学びは、「本物」を見分けて触れるために欠かすことはできません。耳触りのいい優しい言葉がささやき聞こえる方向に、必ず真理があるわけではないのです。だからこそ、本物の浄土真宗の教えの中で過ごし、ときに自分で考えることの大切さを感じました。
では、いちばん身近な「本物」とは何でしょうか?それは「自分」なのだと曽我先生に教えていただきました。「自分」には、日々を積み重ねた歴史があり、親からいただいた名前があります。1日の最初と終わりに自分の名前を口にするだけで、私たちはいつでも「本物」に触れることができるというお話でご法話を締めくくられました。
ご法話のあと、全員で写経を行いました。お経を写しながら本日の曽我先生のお話を思い返し、穏やかな気持ちで下校しました。
本校では、土曜授業日の一部に宗教行事(降誕会[5月]、成道会[12月]、報恩講[1月])を設定し、これらの日では教科授業を行わず、登校してから下校するまで、宗教を通して自分の心を育てる時間としています。