岐聖大通信Vol24

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?i n t e r v i e w校舎も学習の進め方も一新!県下初の「教科センター方式」導入校へ。今、日本の公教育の現場は革命期を迎えています。戦後長らく、正解主義のもとで「記憶量と記憶再生のスピード」が偏重され、そ....

?i n t e r v i e w校舎も学習の進め方も一新!県下初の「教科センター方式」導入校へ。今、日本の公教育の現場は革命期を迎えています。戦後長らく、正解主義のもとで「記憶量と記憶再生のスピード」が偏重され、その戦いに勝った子どもたちだけが「優秀」とされてきました。しかし、価値観が多様化し、変化のスピードも速いこれからの時代に求められるのは、人生において本当の意味で役に立つ「自ら課題を見つけ、解決していく力」。たとえば冷蔵庫の中の食材を自由に使って、おいしい料理を作り上げる力だと考えてもらうといいでしょう。そこには決まった正解などありません。頭の回転の速さよりも、頭の柔らかさが重視されるわけです。文部科学省も新学習指導要領からこうした課題解決の力を重視するよう求めています。そこで、岐阜聖徳学園大学附属中学校では2012年4月より、新校舎誕生に伴って「教科センター方式」と呼ばれる最先端の教育システムを導入します。一番のポイントは「ホームベース」というクラス活動の拠点と、国語から社会・数学・英語などの全ての教科に専門教室を設けること。これにより、生徒たちはまるで大学生のようにノーチャイムで自ら時間を管理し、教科ごとに異なる教室へと移動しながら授業を受けることになります。カーペット敷きのカラフルな各専門教室には書籍やパソコン、学習材を設置したスペースを併設したり、教科担当教員が授業以外の時間でも気軽に質問や相談に応じられるようにするなど、生徒たちの学ぶ意欲を喚起するさまざまな仕掛けも。新校舎は非常にオープンな環境のもとで、生徒と教職員がアクティブにコミュニケーションを図りながら学校生活を送れる魅力的な空間設計となっています。大人がワクワクできる学校なら、子どもたちの毎日はもっと楽しくなる。全教科において「ひとり学び」の時間を2割を目途に取り入れるのも、今回の改革の大きな柱です。小中学校の現場で30余年、生徒たちと接してきた私が断言できるのは「子どもはみんな、本当は学びたがっている」ということ。じゃあなぜ勉強しないのか。答えは簡単、「おもしろくないから」なんですよ。そこで登場するのが、独自の学習パッケージを用いた「ひとり学び」。バラエティーに富んだ楽しい学びのアプローチを単元ごとに数パターンずつ用意して、子どもたち自身に興味のおもむくまま選ばせるのです。同じ理科の実験をするにしても、目の前に示される材料やプロセスはさまざまという状況。そうすると、子どもたちはが然、目を輝かせて主体的に学ぶようになるんですね。ただ、子どもの現実が見えない人に限って「好きなことだけをやらせていいのか」などと批判するのですが、「ひとり学び」は全体のカリキュラムの2割程度であり、その2割に対してはむしろ効果の高い手法なんですよ。テーブルの上に山型に置いたハンカチを想像してみてください。真ん中の盛り上がっているところは得手や長所、ボトム部分は不得手や短所です。人間って、真ん中のいいところを指摘して引っ張ってやると、どんどん伸びるし、弱点であるボトム部分は実はそこからもう下がることがなくて、最後はちゃんと上がってくるんです。これを私は「持ち味伸長の論理」と呼んでいて、ひとり学びの学習パッケージ作りにも応用しています。もちろん、ボトム部分は残り8割の集団授業や、個に応じたカリキュラムをカスタマイズすることによってサポートしていくことが不可欠であることは言うまでもありません。今後は、学習パッケージ開発において大学との連携を図るなど、教育学部附属ならではの試みもどんどん取り入れていきたいですね。前例主義に縛られることなく、有効だと思えることはすべて実践していくつもりです。新たに導入する教科センター方式やひとり学びは、実は本学で働く教師にとっても大きな意味を持っていることも特筆しておきましょう。生徒一人ひとりとこれまで以上に真剣に向き合い、一緒に感動したり、笑ったり、涙を流したりしながら、子どもたちの学力と心を育んでいく。教師自身が学校を愛し、ワクワクした毎日を過ごしていれば、子どもたちは必ず応えてくれます。教育の原点に立ち返り、かつ時代にフィットした新しい学校、新しい教育観をつくること。それが、生まれ変わる岐阜聖徳学園大学附属中学校のビジョンであり、大切なお子様をお預かりする私たち教育者のミッションです。もちろん、ご家庭や地域との連携なくしては実現しません。どうぞ倍旧のご支援・ご協力を賜りますよう、お願い申しあげます。教育学部教授なりたゆきおゆきお成田幸夫チャイムが鳴ると教室に先生がやって来て、授業を受ける…。岐阜聖徳学園大学附属中学校ではそんな当たり前の学校風景が、2012年4月の新校舎誕生に伴いガラリと変わります。附属学校担当部長として、改革の旗振り役を務める成田幸夫先生に詳しく伺いました。2012年4月、岐阜聖徳学園大学附属中学校が生まれ変わります。education教育学部自由研究▲教科センター(国語)▲多目的ホール(ランチルーム)▲3階まで吹き抜けのアトリウム