33columnQ.1在学中に叶えたこと私の記憶にある教師は、いつも笑顔でした。しかし教育実習で職員室の日常を見て、笑顔の背景にある苦労や努力を知りました。それは教職を職業として捉え直した経験でした。columnQ.1勤務先岐阜県立恵那特別支援学校—高等部教育学部—学校教育課程—特別支援教育専修—岐阜県—美濃加茂高等学校出身Profile—土屋—芽以さん— 2018年度卒業—勤務先岐阜県立八百津高等学校教育学部—学校教育課程—国語専修2020年度卒業岐阜県立大垣東高等学校出身Profile—勝見—心さん———在学中に叶えたこと大学では小・中・高・幼・特別支援学校と、5つの教員免許状を取得しました。前任校で小学部、現職で高等部を担当できるのは、複数の教員免許を持つためです。本校の卒業生は、半分が進学し半分が就職します。進学先は4年制大学や専門学校などまちまちで、就職先の業種もさまざまです。それぞれが望む進路で、高校までに培った力を発揮してもらうための指導は一人ひとり異なります。私は学生時代から本校に着任してしばらくまでは、生徒を引っぱり導くことが教師の役割だと思っていました。しかし本校で毎日生徒と向き合うなかで理想とする教師像は変わり、今はむしろ生徒の後ろにまわり、前に進もうとする彼・彼女らの背中を押し続けることを教師のあるべき姿としています。大学3年の終盤から4年の夏にかけて取り組んだ教員採用試験の対策に、それまでの人生で最大のエネルギーを注ぎました。あの時の猛勉強を支えていたのが、生徒を第一に考え生徒のために全力を尽くす仕事に就きたいという思いであったことを、思い出しました。教育学部で学びたかったのは、特別支援教育についてでした。それぞれ苦手なことも多い中で、一人ひとりの良さを見出し笑顔にする教育を知りたかったのです。特別支援学校に加え、小・中・高・幼と5種の教員免許状を取得し、将来の選択肢を増やしましたが、それでも特別支援学校の教職に就いたのは、先生の後押しや同級生の教員をめざす熱意に触れたのと、教育実習で子どもに接してこころを動かされたためです。現在の職場は、特別支援学校の小学部を経て2校目。高等部で3名の生徒を指導しています。着任当初、生徒とのコミュニケーションは私からの声がけのみでしたが、今では生徒がいろいろな方法で思いを伝えてくることが増えました。言葉で気持ちを表すのが苦手な子たちの変化を大切に受け取り、生徒や保護者に安心感を持たれる教師でありたいと思います。一方通行だった会話が双方向に変化する特別支援教育の力を日々実感教員採用試験に向けた猛勉強を支えた信念と生徒と接するなかで変化した理想の教師像
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