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第3号 平成19年6月発行

「親切心の覚悟」

城福 雅伸

昔、私は兵庫県にある有名な私立高校の進学校(当時進学校としては日本一だったと思います。当然ながら私はこの高校の出身ではありません)の先生と親しく して頂いておりました。この先生のおっしゃっていたことに、卒業生を見ていた限りでは、勉強が出来るだけではなく、いつもにこにこと誰にでも親切にしてい る人が、どうもおおよそだが結局、起伏があっても幸せになっているように思う、と。

親切というのはなかなか行いにくいものですよね。しかし、私が見たところ、本学の学生さんを始め、特に今の若い人にはひろびろとした親切心が多くあります。
ですからせっかくの親切心を生かした生き方をしていただきたいと私個人としては願っています。なぜならそうでないと昔からの価値観を否定し捨てて行く今後の日本社会は大変なことになると思うからです。
困っている人はそうであるが故に弱く故に目立ちません。弱いが故にどこに何を訴えても聞き入れてもらえません。味方をしてくれる人もいません。司法やそ の他に訴えても通りませんし顧みもされません。そのために結局、誰も手を差し伸べないのです。苦しんでいる人は声が立てられないほどの状況である場合がほ とんどです。
しかし恵まれている人の目には、こういった実情や実態は見えません。おそらくわからない人がほとんどでしょう。しかし苦やたいへんな問題は目の前に迫ってきています。
格差社会と言い、今後その差はもっとつき、もっと見えなくなる…というより苦しむ人は自分で苦しめ、誰も助けない…ということが当たり前の風景になるでしょう。しかし私はそれは間違っていると思います。心ある人は対応しなくてはなりません。
では、どうやって対応するのか。そうです。手当たり次第、つまり誰にでも親切にするということがもっとも効果があります。なぜならかならず困っている人 に行き当たるからです。また自分が困る時もあります。しかしその時、親切の輪が広がっていると自分をも助けることになります。
苦境にある時、一言の励ましがどれほど嬉しいか、味方がいるよという声はいかに心強く感じるか。ですから自分の出来る範囲でいいのです。親切にするということが今後重要になります。
ただし、これは覚悟がいります。なぜかというと今からの社会は、従来にも増して人に親切にすると自分が損をこうむり不利になる可能性が高いからです。
きれい事はどうでもいえます(ここでも言っています。すみません(^^;))。しかし実際に何かをするとき自分の身を切る覚悟がいります。親切にする場合も例外ではありません。
上記の先生は、親切な人は幸せになってるようだとおっしゃっています。信じますか?嘘だと思いますか?私は昔からの価値観を捨てつつある今からの日本社会では「う~ん」という所です。
しかし言えることは生きる姿勢として、これからの時代の流れに合わせて不親切に冷酷に汚く生きるか、それとも親切に温かくきれいに生きるかの二通りの生き方しかないということです。
私個人と致しましては後者がいいなあって思っています。だってかっこいいもん。
それに長いスパンで見ると上の先生のおっしゃっていることは事実だと思えるからです。