降誕会がありました
本日は、本校三大宗教行事のひとつである「降誕会」が開かれました。
今回は、浄土真宗本願寺派布教使・専福寺住職でいらっしゃる松島法城先生をお招きして、「老少不定」というお題でご法話をいただきました。
松島先生には、昨年度の降誕会にもお越しいただきましたが、今年度も「節談説教」という、浪曲のように表現豊かな語り調子でお話をしてくださいました。
今日は、平安時代の歌人である和泉式部にまつわるお話でした。
和泉式部の娘である小式部が若くして亡くなったとき、和泉式部は大変悲しみ、娘が仏の世界へ行くことができるようにと3年間方々のお寺へ通いました。それでも「娘は本当に仏さまのもとへと行くことができたのか、その証がない」と苦しみ続けていたのです。
そんな中、和泉式部はあることがきっかけで「娘が成仏できるようにと数々のお寺を参じてきたことは、実は、自分自身が仏さまのもとへと歩んでいくことだったのだ」ということに気づきました。
「娘は、実は仏さまの化身であり、私を仏さまの世界へと導いてくださっていたのだ。私は、阿弥陀如来さまのお慈悲をいただいていたのだ」と悟ったのです。
「老少不定」とは、人はいつ亡くなってしまうのかわからないということです。若い人よりも先に、お歳を召した方から亡くなっていくとは限らないということですが、現在97歳の松島先生のお言葉として聴くと、心の奥底にまで響くものがありました。生徒も、最初は松島先生のお歳を聞いて驚いていましたが、そのような先生だからこそ、お言葉のひとつひとつに深みがあり、生徒も自然にお話に引き込まれていったようです。
本日の降誕会では、一昨日にイギリスから帰国したばかりの3年生は、自宅からリモートで出席しました。
また、ここ数年は感染症拡大防止のために代表者による独唱だった音楽法要は、本日から全校生徒による合唱となり、久しぶりに講堂に真宗宗歌や恩徳讃などの宗教歌が響き渡りました。
ご法話のあとで感想文を書き、最後に「心を落ち着ける時間」として写経を行いました。