岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

「第3回子育て講座」を開催しました

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「第3回子育て講座」を開催しました

「子育てって何だろう~心理学から考える乳幼児期の発達と親の子育ての意味~」

短期大学部准教授 石田 開先生

 親はなぜ子を育てるのか、子どもをかわいいと思うのか。子どもにとって親はどんな存在なのか。子どもの成長過程に沿ったお話を踏まえながら、ひとりの人間として確立していくときにどんな成長を歩み、何をしているのだろう?親となった私たちは、親としてどんな心理を抱くのだろう?

そんなお話を丁寧にしてくださり、多くのお母さん・お父さんと気持ちを分かち合うような時間となりました。

人はなぜ、子どもを育てるのでしょうか?

・子ども一人では育たない。何もできないから。

・親の世話を子どもが必要としているから。

などが考えられるかと思いますが、これらの視点は全て「子の事情」と先生はおっしゃいます。

人は良い悪いではなく、その時生きていく上で有利である性質を持って生まれてきます。

他の哺乳類と比べて、人間は未熟な赤ちゃんを産み、多くの年月と時間をかけて育てる。

では、なぜ人間が未熟な赤ちゃんを産むのでしょう?

2足歩行することにより、頭が重くなり、体の大きさのわりに頭が大きい。脳が発達し、いろんな事を学べるようになりました。

これらの事からすごく時間をかけて、子を育てるようになったのです。

「こんなに時間をかけて子育てするのに可愛いと思えなかったら、子どもが育っていきにくい・命のバトン・リレーがつながりにくいのです。」

魚は世話をしないけれど、たくさん産むから生き残る作戦に比べ、人はちょっとしか産まないけど、大事に育てて生き残る作戦なのです。

可愛いから育てるというより、ある意味育てなくては生き残らないのです。

また、子どもを育てる行動がきちんと行われるように、可愛いと思うようにうまくできているのです。しかしこれは意図して作られたことではなく、子どもを残すのに有利だから。

物事を違った角度から見ると、様々な考え方ができますね。

また、「お父さんは、お母さんと比べると親になったという自覚を知るきっかけが少ない傾向にある為、父の方が自分に似ているか気にする事があるのですよ。」等、先生のお話の中で気づきもたくさんあり、おもしろいお話もたくさんありました。

お子さんとお父さんで関わった時、子どもから反応があるとより良く、褒める事が何より大切となるそうです。

お父さんの育児参加は子どもが小さいうちから。これは、子どもの方も経験として残り、とても良いそうです。

「子育ては、親にとって当たり前ではなく、葛藤がつきものです。時に子育てがいやになっても当然であり、それぐらい皆さんはすごい事をしているのですよ。子育てに悩んだとき、これ以上は"しょうがない"と思う事も大切になると思います。大人の幸せも大切ですよ。」と365日子育てをする親にとって、先生の言葉はとても身に染みてどこか救われるかのようでした。