岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

「第8回子育て講座」を開催しました

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「第8回子育て講座」を開催しました

「運動遊びが子どもを元気にする!」

短期大学部准教授 内藤 譲先生

今回の講座は、運動遊びが子どもたちのこころやからだにどのように影響し、大切なものなのかを分かりやすく丁寧にお話していただきました。

運動遊びは子どもたちのからだを元気にするだけでなく、こころの面や社会における姿も元気にします。年齢に沿った運動遊びで最大限にからだを動かす事の大切さと、日々の生活を見直すきっかけにもなった講座となりました。

「お子様は、1日しっかりとからだを使って遊んでいますか?」

昨今、幼児期の体力や運動能力が低下している事が問題視されているのをご存知でしょうか。子どもの身体活動のガイドラインとして1つの目安となっているのが、

「毎日60分以上、楽しく運動遊び!」というものです。

こちらは、推奨年齢の幅などに違いはあるものの、世界においても指針として出されています。

また、今の子どもたちは、昔に比べて歩いていない事も問題視されています。歩く歩数が低下し、休日に家庭で動いていない傾向も見られる為、家庭で動く(遊ぶ)時間を確保しなければ、平日にもっと意欲的に動かないと休日の分の元が取れない事になります。

運動能力の低下の問題として ①走る能力 ②投げる能力 ③跳ぶ能力 これら3つを比較してみるとどの能力が一番低下していると思いますか?

答えは・・・

②「投げる能力」です。

昔の年少・年中さんのソフトボール投げの記録が、だいたい今の年長さんの記録に値し、約1年分、投運動の発達が遅れていると共に、他の「走る」・「跳ぶ」能力も低下が見られ、体の操作が未熟な子どもが増えている事が分かりました。

では、なぜ低下しているのでしょうか?

現代社会において、子どもが安心して遊べる環境が少なくなってしまった事も大いに考えられるでしょう。昔は外で遊ぶ子ども達を多く見かけたものですが、今はその様子も減っているように感じます。

運動遊びの効果として、多くのメリットを教えていただきました。

・体力や運動能力の向上(年齢にあった体力をしっかりつける事が大切。)

・意欲的な性格が形成され、感情をコントロール出来るようになる(できるできないは置いておいて、有能感を感じる事が大切。)

・社会性がつく(複数の人数で身体を動かす事により協調性が養われ、コミュニケーション能力が高まる。)

・知的能力に好影響(記憶力が向上し、学力にも好影響をもたらす。)など

以上のメリットは一部であり、他にも多くの良い結果が得られます。そして運動能力や体力面だけではなく、心理面でも関係する事が分かりました。

ここでまた質問です。「皆さんは、ご自身やご家族の平熱を把握されていますか?」

現代人は平熱が低いと言われています。年齢により違いはありますが、30年程前の子どもの平熱平均が37.2℃に対し、現代では平均36.2℃だそうです。

体温が1℃下がると免疫力が30%下がる事をご存知でしょうか。体調が良好になる為にも、1日の生活リズムが大切になります。早寝・早起き・朝ごはん!

昼間のうちにしっかり体を動かす事。疲れていないと夜もぐっすり眠れません。良いリズムをつくる為にも、太陽を浴び、筋肉を使ってしっかり動き、骨を丈夫にする。こうしたことからも、『60分以上の運動遊び』につながってきます。

その他に、幼児期というのは神経回路が作られる時期でもあります。6歳で大人の約80%まで作られ、12歳で神経は完成すると言われます。

この神経回路のつながりが多いほど運動能力が高くなる為、それまでにいかに子どもに体力をつけさせるか、幼児期に様々な動きをさせて体力を出しきらせるかが、とても大切になります。

また、股関節周りには大きな力を発揮できる筋肉が多く、ハイハイの動作や、しゃがむ・くぐる動作も股関節の動きを意識できますので、しっかり股関節の筋肉を使ってあげましょう!これらは大人にもとても良い為、お子さんと一緒に取り組んでみてください。

現代の環境下でいかに工夫して、小さなうちからお母さん・お父さんも積極的に動き、子どもたちが運動遊びをする環境をつくれるかが大切になってきます。

子どもが楽しみながら親子で運動遊びができると、ご家族にとってよい影響を与えながら、家族の絆も深められるのではないでしょうか。

ぜひ、ご家庭で実践してみてくださいね!