岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾 看護学部⑫ 尾関唯未

笑いと究極のリラックス

岐阜聖徳学園大学看護学部専任講師 尾関唯未

 皆様、こんにちは。コロナウイルスの感染者が減少し、油断はできませんが、マスクの中では、笑うことも増えてきたのではないでしょうか?

 私が所属する大学では、講義科目に「笑いヨガ」という内容があります。大学教育の中にこのような科目があるのは珍しいでしょう。笑いと共に体を動かすのですが、当初は、私自身も"楽しいことがないのに笑えない"というのが本音でした。しかしながら、"ははは""ほほほ"と発声し、半信半疑で実践しました。すると翌日、非常に体調が良かったのです。この魅力に取りつかれ、笑いの効果に関する研究をしています。

 子育てをしているお父さんやお母さんに体験していただき、笑いヨガの実践前後に唾液による検査法でストレス数値を測定しました。ストレスでいっぱいな方ほど、ストレスが減少するという結果が得られました。

 また簡易に脳波を測定する装置があるのですが、この装置は、リラックスすると鳥が鳴き始めます。自身の子どもたちとたくさん笑って脳波を測定すると、私は、"ピー"と鳴く程度なのですが、子どもたちの測定では、鳥が大合唱します。無邪気な子どもたちは、リラックスして笑っているのでしょう。

 船瀬医師は、「笑う呼吸は、深呼吸より大量の酸素をとりこみ、腹筋などの筋肉の運動効果も抜群。・・・血圧や脈拍も正常化させる。」さらには、「身体のあらゆる数値が正常値に近づいて、"笑い"で脳もα波が出て究極のリラックス状態に導かれる。」と紹介しています。

 すなわち、笑うことは、心身に良い影響をもたらすわけです。毎日、様々なことがあると思います。口角を上げて、"ははは、大丈夫。"と笑ってみてください。心と身体が反応し、リラックス状態に導いてくれていることでしょう。(2021年11月7日岐阜新聞掲載)

引用文献 船瀬俊介(2006)「笑いの免疫学」花伝社。 

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