岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞真学塾 看護学部⑲ 酒井田由紀

健やかな眠りへ:睡眠習慣を整えるには?

岐阜聖徳学園大学看護学部助教 酒井田由紀

 皆さん、毎日ぐっすりと眠れていますか?通常、私たちは夜に睡眠をとりますが、試験前夜など、がんばって目覚めていれば徹夜をすることもできます。しかし、そのような日の翌日の日中は一層、眠気や疲労感が強くなり、夜は早々に眠くなりますよね。適度な睡眠時間には個人差があるものの、極端に睡眠時間を短縮することは集中力を削ぎ、疲労を増加させます。私達が人らしく充実した生活を送るためには睡眠習慣を整えることが役立ちます。

 もともと、地球上のほぼ全ての生物は約24 時間を周期とするサーカディアンリズムを有しており、生命維持に必須な生理現象を精密に制御しています。ヒトの場合のサーカディアンリズムはおおよそ25時間周期で、体温や血圧・脈拍、睡眠と覚醒などがサーカディアンリズムの影響を受けています。この周期を24時間周期に調節し、リズムよく活動を行おうとすると、サーカディアンリズムの同調因子を上手に使うことが求められます。同調因子として代表的なものは太陽の光の力です。

 朝、同じ時刻に起床して直ぐに窓のカーテンを開けて2500~3000ルクス程度の十分な光を浴びること、これがサーカディアンリズムを整えることに実に役に立つことです。この他にも学校に行く、部活動を行うなどの社会的活動や、都度の食事の時間を意識して、おおよそ同じ時間に食事を摂ることなども良い睡眠習慣を整えることの第一歩になります。また近年、着目されているのが午睡、つまり昼寝の効果です。例えば、高校生を対象にして昼食後に15分間の昼寝を実施した研究結果では、午後の授業に集中力が向上したという報告があります。長すぎる昼寝はお勧めしませんが、適度な昼寝であれば午後の時間帯をより有意義に過ごすことができそうです。

 『人生の3分の1は睡眠時間』と言われます。日々の生活を充実したものにするために、ご自身の睡眠習慣を整えることを始めてみてはいかがでしょうか。(2021年12月26日岐阜新聞掲載)