岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞真学塾 看護学部⑱ 太田美起子

モーニングサージに注意しましょう!

岐阜聖徳学園大学看護学部助教 太田美起子

 みなさんは、「モーニングサージ」という言葉をご存じでしょうか。最近テレビでも取り上げられたので、耳にした方もおられると思います。サージとは、異常な電流・電圧が瞬間的に流れる状態のことだそうですが、モーニングサージとは早朝におこる急激な血圧上昇をいいます。

 私たちの血圧は常に変動しており、早朝に血圧が上昇するのは正常な反応です。体が起きようと準備するので目が覚める数時間前から血圧が上昇しはじめ、日中にピークに達します。そして、夕方にかけて徐々に下がり深夜に最も低くなります。

 異常な血圧のパターンには、早朝に血圧が上昇する「モーニングサージ」(早朝高血圧)と、本来低くなる夜間に血圧が下がらない「高血圧持続型」があります。

 モーニングサージは、多飲酒、喫煙などの生活習慣や、高コレステロール・糖尿病などの基礎疾患のある人に起こりやすいだけでなく、正常な血圧の人にも起こることがわかっています。急激な血圧の上昇は、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めます。

 だからこそ、寒暖差が大きいこの時期は特にモーニングサージに注意が必要なのです。

 そこで、モーニングサージによる血圧上昇を招かないための生活の注意点をご紹介します。温かい場所から急に寒い場所に移動すると血管が縮まって血圧が上昇します。朝晩冷え込む季節は、身体を冷やさないように注意しましょう。

・起床後1~2時間は慌てて行動することがないよう、時間にゆとりをもち行動しましょう。

・起床後すぐのトイレは、寒暖差を最小限にするために上着を羽織るようにしましょう。我慢できないときや便秘の対策を講じましょう。

・朝のルーティンな行動、例えば朝食の準備、冷水で洗面をする、外で洗濯ものを干す、ゴミ出しに行くなど、寒い場所に行くときは上着と靴下を着用しましょ  う。

 重要なことは、ちょっとした時間でも寒暖差を最小限にすることです。

 自分には関係ないと考えずに、家族のみなさんと一緒に朝の血圧に注意を向けて、健やかな毎日にしましょう。(2021年12月19日岐阜新聞掲載)