岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞真学塾 短期大学部⑤ 糟谷咲子

デジタル・シティズンシップ

岐阜聖徳学園大学短期大学部教授 糟谷咲子

 私は大学で、大学生活や卒業後の社会生活における情報通信技術(ICT)の活用について教えています。

 2025年の大学入学共通テストから、教科「情報」が課されることが発表され、大学入試センターでサンプル問題が公開されました。暗記だけにとどまらない面白い問題ですので興味がある方は、ぜひ見てみてください。

 将来どんな進路に進むにしても「情報社会の問題解決」能力は全ての人にとって必要です。毎日の家庭生活から社会生活、そして国際社会まで様々な課題があります。不便だな、もっと便利になったらいいのにとか、困るな、なんとかできないのかなと思ったことが、もしかしたらICTの活用で改善できるかもしれません。

 例えば多くの皆さんが体験したオンライン授業。休園になった幼稚園や保育所でも利用した園があります。またスライドや写真を投影して保育に活用している園もあります。しかしオンライン授業は、ここが不便だな、理解しにくい、伝えにくいと思ったことはありませんか。また口頭だったらわかってもらえるのに、メールやチャットだとわかってもらえない、間違って伝わるという経験はないですか。それらの解決にはシステムの改良が必要なものもあれば、伝え方、合図の出し方などちょっとした使い方の工夫で改善できるものもあるかもしれません。反対に対面授業より便利と思った点はありませんか。せっかく知った技術。遠く離れた親戚や友人に連絡を取ったり、友人と打ち合わせや課題を一緒にやったり、趣味の勉強会や情報交換会に参加したりアイディア次第で便利に使えそうです。利用が問題視されることの多いSNSも、友人とのやりとりはもちろん困ったことがあったときに調べたり相談相手を見つけたりすることができるツールでもあります。

 情報社会を生きる皆さんには「デジタル・シティズンシップ」を身につけてほしいと思います。ポイントは「私たちの生活がより良い方向に変化するか?」です。迷ったら立ち止まってポイントを確認し、どんどんICTを活用して創造し、協力し、アイディアを共有してより良い情報社会を作り出してください。(2022年3月13日岐阜新聞掲載)