岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞真学塾 短期大学部① 田中亨胤

「こども」の言い表し

岐阜聖徳学園大学短期大学部教授 田中亨胤

 「こども」に関する言い回しを紹介します。課題1:あなたは、それぞれの「こども」について使いこなせていますか。課題2:「」の後に(a~k)がついている「漢字」にフリガナをつけてみてください。

 誰しも「こども」の時期があります。大人になっても「こども」と言われることもあります。「こども」の言い表しでは、文脈の中で、「こども」の概念が操作されています。

 児童福祉法の第四条では、「この法律で、児童とは、満十八歳に満たない者をいい」とあり、「乳児」「幼児」「少年」に区分されています。「18歳未満のこども」の総称として「児童」が定義されています。「少年」である中学生や高校生も「こども」なのです。教育・発達心理・医療の分野での「こども」の受け止めは、多様です。「乳児」「幼児」「小児」(a)「未満児」(三歳未満)「病児」(b)「発達障碍(害、がい)児)」等が思い当たります。

 家族関係では、世代間のつながりからの言い表しがあります。直系の家族間では「曾孫」(c)「曽孫」(d)「玄孫」(e)「孫」「長子」「末っ子」等。姻戚関係にある家族間では、「甥っ子」「姪っ子」等。このほかに、「親子」「母子」「父子」「養子」「我が子」等の言い回しも人口に膾炙しています。習俗的な言い回しでは、「赤子」「子供」「幼子」「女児」「男児」「稚児」(f)「嬰児」(g)「童」(h)等が散見されます。このほかにも、「鍵っ子」「球児」「多胎児」「餓鬼」「愛児」(i)「捨て子」「孤児」「野生児」「双生児」「未熟児」「憎まれっ子」「寵児」(j)「隠し子」「嫡子」(k)等も、マスコミ媒体で見ることがあります。

 なお、表記の面では、「こども」「子」「子供」「子ども」等が、それぞれの立場や文脈の中で用いられています。日常の生活において無意識に「こども」を使いわけているとすれば、素晴らしい言語能力です。課題1と課題2についてはいかがでしたか。(2022年2月13日岐阜新聞掲載)

[正解](a)ショウニ (b)ビョウジ (c)ヒマゴ (d)ヒマゴ (e)ヤシャゴ

(f)チゴ (g)エイジ (h)ワラベ (i)アイジ (j)チョウジ (k)チャクシ