岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾⑭ 教育学部 理科専修 梶山 裕二

岐阜新聞 真学塾⑭

ふしぎだと思うことこれが科学の芽


岐阜聖徳学園大学教育学部 理科専修 梶山裕二



 顕微鏡を覗いたことはありますか?光学顕微鏡で数百倍に拡大された物質や細胞などの細かい構造を観察すると、その美しさや多様性に驚かされます。
では、さらに小さいものを見る方法はあるのでしょうか。それが電子顕微鏡です。


 電子顕微鏡は、通常の光(可視光線)の代わりに電子を使った顕微鏡です。なぜ電子なのでしょうか。実は電子には光のような波の性質があり、波は波長が短いほど小さなものを見ることができます。可視光線の波長はおよそ400~800ナノ㍍(ナノは10億分の1)の範囲ですが、電子顕微鏡で用いる電子の波長はより短く、0.01ナノ㍍程度です。その結果、電子顕微鏡では数万から数十万倍以上もの倍率を実現できるのです。


 図1、2は本学の電子顕微鏡で撮影したあるものの写真です。それぞれ何を写したものだと思いますか?。
 図1のきれいな螺旋(らせん) は豆電球のフィラメントです。これはタングステンでできており、光っているときの温度は約2000℃にもなります。写真下部の白い直線は50マイクロ㍍(マイクロは100万分の1)を表しています。
 図2は錆(さ) びた古い鉄の表面です。白い直線は5マイクロ㍍を表しています。「美しい」と見るかどうかは人によるかもしれませんね。
 ところで、このように肉眼で見えないものを見ることには、どのような意味があるのでしょうか。朝永振一郎博士は「ふしぎだと思うことこれが科学の芽です」と述べています。もし、初めて見るミクロの世界に心がときめいたなら、その「科学の芽」をぜひ大事に育ててほしいと思います。
 あなたならどんなものを見てみたいですか?。

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