岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾㉓ 教育学部 学校心理専修 高村和代

占いが当たる仕組み


岐阜聖徳学園大学 教育学部 学校心理専修 高村和代



「あなたは人から好かれたいと思う反面、ときどき誤解されて寂しい思いをすることがありますね」


 もし雑誌の占いでこのように書かれていたら、あなたはどう思いますか?。
 すごい!当たってる!どうしてわかったんだろう!と思いませんでしたか?。
 人は誰もが「好かれたい」と思っています。
 嫌われたいと思う人なんていないでしょう。また、友だちなどからあなたが期待していた反応と違う反応が返ってきて、「あれ、自分のことわかってくれてないかも」と感じた経験というのは、一度や二度はあるでしょう。そして自分のことを誤解されていると感じると、きっとわかってもらえていない寂しさを感じることになるでしょう。
 つまり、冒頭の言葉は誰しもに当てはまることを言っているのです。


 このように、誰にでもあてはまりそうな性格や行動を、「自分のことを言い当ててる!と勘違いしてしまう現象を心理学では「バーナム効果」といいます。このバーナム効果は血液型と性格との関係にも使われています。A型「真面目で几帳面」、B型「マイペース」、O型「大雑把」AB型「二面性」というのが、よくいわれる各血液型の性格特徴ですね。A型の人は自分の「真面目で几帳面」な部分だけを取り上げて、当たってる!と思います。しかしA型の人にもマイペースな部分はあるはずです。時には大雑把になることもあるでしょうし、誰しも表と裏を持っています。つまりこの血液型で表される性格というのは、結局どの人にも多かれ少なかれ持っている特徴なのです。実際心理学では、血液型と性格との関係というのはこれまでの研究では確認されておらず、「血液型と性格は関係ない」というのが、現在の心理学での考え方です。


 バーナム効果は誰にも起こる現象ですし、いろいろな場面でバーナム効果は使われています。一度気をつけて日常生活を眺めてみてください。占いや血液型だけでなく、上手なショップ店員もこのバーナム効果を使ったテクニックを使っていますよ。

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