岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾55 教育学部 保育専修 本多恭子  

日ごろの生活習慣を見直してみましょう

 岐阜聖徳学園大学教授 保育専修 本多 恭子 

 5月も半ばを迎え、ゴールデンウィークも終わりました。例年、この時期によく耳にするのが「5月病」という言葉です。「5月病」とは、新しい環境で頑張っていた人が、連休を過ぎて一段落するころから「体がだるい」、「やる気がでない」といった体や心の不調が現れることをいいます。特に、今年は3月よりお休みが続いています。長期休暇後はなかなか通常の生活リズムに体が戻らず、体調を崩しやすい時でもあります。おかしいなと思ったら、まずは十分に睡眠をとるなど、体と心を休めることが大切です。長期休暇を乗り切り、健康的な生活を送るためのヒントとして、毎日の睡眠のとり方について考えていきたいと思います。

 では、十分な睡眠をとるために、日ごろからどんなことが大切でしょうか。2点あげてみます。

 一つ目は、学校が休みの日も、学校がある時と同じ生活リズムを崩さないようにすることです。皆さんは「社会的ジェットラグ」という言葉をご存じでしょうか。体内時計(私たちの体内にある体のリズムを整えてくれる時計)が社会生活の時間に合わないことで起きる、時差ボケのような状態をいいます。多くの人々は、仕事や学校に合わせて生活をしています。そのような人が、平日は睡眠時間を短くしかとれず、睡眠不足を休日に寝だめをして解消しようとする場合、このジェットラグが起きやすいといわれています。社会的ジェットラグを防ぐためには、毎日の睡眠時間を十分確保し、毎日決まった時間に就寝、起床、食事をして規則正しい生活をすることが大切です。

 二つ目は、昼間、外で過ごす機会を増やすことです。私たちは日ごろ照明の下で過ごすことが多く、昼には受ける太陽の光の量が足りず、逆に夜には照明などの光を浴びすぎています。このようは状況では、睡眠と目覚めのリズムが乱れやすく、私たちは、なかなか寝つくことができず、また、ぐっすり眠ることができません。それに対して、昼は外で過ごし、夜はぐっすり眠ると、体内時計が上手く働くといわれています。もし、皆さんが、日ごろから夜更かしをする、携帯電話の使用やゲームでの遊びに夢中になっているとしたら、それは睡眠にも大きな影響を与えているといえるでしょう。家の周囲、例えば庭やベランダなどでよいので、1日の中で太陽の光を浴びる時間を少しでも増やしていきたいものです。

 毎日規則正しい生活をすることやよく寝ることは、体の免疫力を高め、感染症に負けない体づくりにもつながります。新型コロナに負けないためにも、日ごろの生活習慣について見直してみませんか。

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