岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾61 教育学部 理科専修 寺田光宏  

「3密」を「理科のメガネ」でみてみよう

岐阜聖徳学園大学教育学部教授 理科専修 寺田 光宏(理科教育学)

 新型コロナウイルスの関係で大変な日々が続いていますが,皆さんは,お元気でお過ごしでしょうか?私たちにとっては,集まって会話をすることは非常に大切なことですが,コロナ禍では避けなければならなくなりました。それが「3密」と言われています。さて,「3密」を,理科で学ぶことを使い,見直してみるとどのように見えるでしょうか?


 3つの密を,中学校1年生で学ぶ,物質をつぶつぶ(粒子)で見ることを使い,ウイルスを「粒子」として見てみましょう。もし近くに感染者がいると,ウイルスの粒子は①換気の悪い「密閉」空間では減ることがなく②多くの人の「密集」する場所では増えていき,あなたと③近距離での「密接」した会話により多く接することになります。このように,ウイルスを粒子として見ると,3密とは,ある空間にウイルスの粒子の数が多い「密」の状況だとみることができます。このように3密の条件下に感染者がいれば感染拡大が発生しやすくなるとされて3密防止が注目されています。

 さて,感染対策のために「手洗い」はなぜするのでしょうか?ウイルスを粒子として見ると,どのように見えるでしょうか?ウイルスの粒子が物の表面などに付着し,手によって運ばれて感染するとみることができますね。厚生労働省によると,あるウイルスが手に約100万個付いいたたとき,せっけんの60秒もみ洗い後流水で15秒すすぎ手洗い1回で数十個に減ると言われています。他の感染予防も同様に考えてみることで,現状より,より良い予防法があるかもしれませんので考えてみましょう。

 一見異なるように見える現象なども,その奥に潜み見えない共通する見方で考えることできることが理科の一つの特徴です。今まで見えなかったことが,この「理科のメガネ」を掛けることによりさまざまな現象が同じ理由により起こっていることが見えてきます。さらに,この理由を使うとまた別な世界が見えてきます。

 

ここでちょっと考えてみましょう!ある物体? に光をあてると右図のようにそれぞれの平面に、▲、■、●の影ができました。この別々に見える影から、この物体?
はどのような形をしているか想像してください。

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