岐阜聖徳学園大学 岐阜聖徳学園大学短期大学部

岐阜新聞 真学塾73 教育学部 教職担当 篠原清昭

ケーキを正しく分ける方法

岐阜聖徳学園大学教育学部教授 教職担当 篠原清昭

 もし、みなさんが一つのショートケーキを友だちと二人で分けることになったらどのように分けますか?ショートケーキなので、イチゴが上にのせてあったりして正確に二等分できません。半分に切ろうとすると、どうしてもどちらかが大きくなったり、小さくなったりします。結果的には二人の間でどうしても「不平等」が生じます。

 一つの方法があります。ショートケーキを「切ること」と「選ぶこと」をじゃんけんで決めてはどうでしょう。一人が切り、もう一人が選ぶのです。ここで大切なことは「切ること」です。「切ること」を選んだ人はどのように切るでしょうか? 多分、自分が「小さなケーキ」を選択しなくてはならない「不幸」を想像して、等しく切ることに努力すると思います。結果、多少の違いはあ
ってもケーキは等しく分けられ、さらに二人は幸福を得ることができると思います。

 今、世界は大きな格差社会の時代にあります。「世界がもし100人の村」だとしたら、栄養不足の村人は16人(1人は飢餓で死亡)、安全な水が飲めない村人は13人、電気がない村人は22人、読み書きができない村人は17人います。

 貧困の中にいる人たちに対する国際支援をどのように考えればいいのでしょうか? 世界のすべての人が「平等」に暮らすためには、どのような「分配」が求められるでしょうか? 世界の人が「共存」することは可能でしょうか?

 可能だと思います。そのためには限りある財をみんなが幸福になるように、分配する公共のルールを作ること。そして、分配された人が財を与えられたことだけに満足せず、その財を利用して自らの知識と能力を最大限高め、「倍返し」の幸福を得ることだと思います。それが教育の力だと思います。

 カンボジアのトンレサップの湖に浮かぶ、納屋のような学校に行ったことがあります。チベットの僻地の電気がない民族学校に行ったことがあります。しかし、それらの学校の子どもたちは、みんな共通に目が明るく輝いていました。

 教育は世界と社会を変革すると信じます。

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